明方の禅問答

この章の結論は、Web制作者にとっていちばん必須な、最低限ないと困る道具は何か。という質問への答え。

仕事でSCSSファイルを書いていて、コメントを書き込むのに英単語をいくつか並べて最後に行選択をして⌘command+K+Uを押す。

あまりにも慣れすぎた動作でふだんは何も感じないが、時折ふと、この癖がついた原因を思い出すのだ。

まず自分は日本語でコメントを書くことがほとんどない。これは昔からMacとWindowsを行き来していると文字化けがつまらない時間ロスになるので、ファイル名そのものに滅多に日本語を使わないのも起因している。これは諦めによる習慣。

でも他人に送ることのないSCSSファイルだろ、という点では日本語で書いた方が目立つのだが、目立つと読んでしまうから、いちいち疲れるとかもある。探したときに目立って、探さない時は埋もれていていいもの。

小文字英数の夥しい文字列の中で、全大文字のアッパーケースで書いてある文字はわりと目立つんですよ。それはエディタのような色分けのないモノクロの印刷でも目に止まるので、この習慣がついた。

古い古いお話で、Perlを学習していた時代につけた習慣。
自分がはじめてマシンを買ったときに、当時は誰でもPCを買えばついでにプリンタを買い、スキャナーを買い、デジカメに手がのびて、と拡張していく時代だったのだが、最初のノートパソコンと一緒に買ったのがhpのA4レーザープリンタだった。

ノートパソコンはすぐ1年後には別の機種へと乗り換えていたが、hpのレーザープリンタは本当によく使った。Perlを書いては焼き、書いては焼き、赤ペンも青ペンも入れて頭も手もよく使っていた。

たしか、1万たらずの価格だった。
「え。この値段でトナー式が買えちゃうの?じゃぁ絶対これにする。カラーとか要らんし」と即決しつつ、hpの社名も当時は知らなかった。
半年後には日本中の人が知っている・に激変するような時代でしたが、当時は親父しか知らなくて、にこにこっと「老舗だよ」みたいに保証されたのは憶えている。

あれほど元をとった周辺機器はなかったな、という思い出とともに冒頭の問いとその答えがふわっと浮かんできて、笑いました。

まともにWeb屋をやっている人なら誰でも賛成してくれるとは思うけど。

紙とペン。


設計するなら、ノートと鉛筆、紙とペン。
ここからしか何もはじめられない。他のあらゆるものは人に借りられたとしても、ね。
ペンを握らないことには歩けない。

長い長い療養が明けた瞬間がそれでしたもんね。
まだ買い物にさえろくにいけない体力だった日に、隣の部屋へ入っていって本棚あたりを目で物色しながら我が家の総務かよという家族に、「ねぇノート貰えない?」

「二度目の人生のはじまり」という言い方があるけど、あの日がまぁ二度目ではなく三度目か四度目くらいの人生のはじまりだったのかも。